【儲かる農業】を実現させて、次代を担う若者を育てたい

10月に紹介した奈良の山中さんに続く、「地域の農を考えるシリーズ」。
第2回は、お店で大人気の「かきうち農園さん」(三重県・御浜町)をご紹介します。

 

●脱サラして始めた栽培
現在7ヘクタールの農地で15種類ほどみかんを栽培し年間を通じて収穫している垣内さん。
「御浜町」を「年中みかんのとれる町」へと導いてきている。
農家の長男であった垣内さん。当初は継ぐことは考えておらず、一部上場メーカーに就職した。
しかし、1999年に父が他界したことをきっかけにこの御浜町に戻ってきた。

 

●とても食べていけへん
当時、実家のみかん農園は、兼業で母親が細々と営んでいた。
みかんづくりの経験はほとんどなかったが、自分にも出来る自信はあった。
しかし、実際継いでみるとみかん農業の現状を知り、頭を抱えた。
みかんが収穫できる時期は、一年のうちで2ヶ月ほど。冬場はみかんがとれないので収入がない状態。さらにその年の収穫がうまくいかなければ一年間の収入はゼロになってしまう。
みかんだけでは食べていけないので、冬場は友人や親戚の会社でダムのゴミ掃除や鉄筋工事のアルバイトを行ってなんとかしのいだ。その生活は3年続いた。
専業に見切りをつけて他の仕事を探すこともできたが、垣内さんはみかん農園を捨ててよそに行こうとは思わなかった。
「農業で飯を食べていくと決めたからには、何としてもやり遂げたい。」そう思って食らいついた。

 

かきうち農園さん

●全財産をつぎ込んで
まず、垣内さんは、みかんがいつでもとれるように農園の拡充に踏み切った。
みかんは種類によって育つ時期が異なるので、品種をいくつも組み合わせれば季節を通して収穫ができる。
また、複数を生産していればひとつ失敗しても別のみかんで挽回もできる。
垣内さんは、当初3~4種類だったみかんを15種類に増やし年間の生産計画を立てた。
農地も当初の10倍の7ヘクタールにまで広げた。
費用と労力は莫大にかかり、サラリーマン時代に貯めた貯金は全部飛んでいった。
みかん栽培の技術は、母からだけでなく様々な産地に出向き、いろいろな人から必死で学んだ。
みかんの苗を植えてから3年でようやく実がちらほらつきはじめ、7?8年経ってやっと本格的な収穫ができるようになった。
そして、自ら販路を開拓し今では直販・直売所・百貨店・ホテル等が販売先になった。

 

●次代を担う人材を育てたい

この間「農業では食えん。」そう言って代々続くみかん畑を手放す農家を多く見てきた。
そして仕事の口を求めて他の地へ出ていく。
その結果、耕作放棄地は増え人口は減り、地域全体が衰退していくのを目の当たりにしてきた。
そこへの危機感から「【儲かる農業】を体現し、次代を担う若者に可能性を感じてもらいたい。
農業を担っていく人を増やしていくことで、地域を再生してきたい。」と思い、今は人材育成に力を入れている。
関西の大学と連携をとり、インターンシップの受け入れを行ったり、行政と連携し次代を導く人材を作っていく仕組みづくりにも取り組んでいる。これからさらに協働者を増やしていく予定だ。
類農園としても、こういった農家さんとも協働しながら新規就農を希望している人と地域をつなげていくことを、目指していく。

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