柿農家 山中さん

「誰かが地域を守らなければ。」
その想いからはじまった柿栽培

甘くてジューシーで果肉が柔らかいと評判の「「山中さんの柿」。
この味を引き出すための工夫、さらには「山中さんの地域にかける想い」をご紹介します!

 

●大変甘くジューシーで果肉が柔らかいと評判!

山中さんの種なし柿

山中さんの種なし柿

(1)柿の木の1本1本の特性を熟知
同じ場所に生えている柿の木でも特徴がそれぞれ違う。山中さんは木を1本ずつ注視し、その柿にあった枝の剪定・施肥を行っているので、実のつき方が違う。

(2)丁寧な脱渋で丁度よい完熟に
大きな産地の場合は、共同での脱渋作業になるため細やかな調整が難しいです。山中さんは個人で脱渋作業を行っているため、その時の柿の状態・気候条件に合わえて細やかに調整しながら脱渋を行っている。従って、丁度よい完熟に仕上がっている。

 

●誰かが地域を守らなければ。そんな想いからはじまった

山中さんは江戸時代から続く柿農家。
しかし、高齢化によって農家を辞める家が増えている。山中さんは50代だが、まだまだ若手。地域の方から畑の管理を次々に依頼され、自分ができる手一杯まで、耕作する畑を広げている。
今では天理市萱生町を代表する農家だが、元々農家を継ごうと思っていたわけではない。農業がいかに厳しい世界であるかを両親を見て知っていたからだ。 それが両親が体調を崩したのをきっかけに、継ごうと腹をくくった。それが40歳の時だった。

「なぜ継ごうと思ったのか?」

それは地域の衰退ぶりを見て、誰かがやらなくてはという想いがあったからだ。
人の手が入らなくなった耕作放棄地は葉が茂り、果樹の場合は放っておいても小さな果実を実らせるため、イノシシやシカを寄せ付けたり、虫や病気の温床となる。

そのため【農業を継続している人】の畑にまで影響が出ててしまう。

そうなれば、農業を続けようと思っている人も続けられなくなってしまう。

耕作放棄地

「農業というのは、一軒の農家でできるもんじゃないよ。用水路の管理にしても、獣害対策の柵の管理にしても、畔や農道の管理にしても、地域があって農家が集まって、初めて農業ができる。逆に農業が続くから地域が続くともいえる。」

そして、中山間にあたる萱生町地域が衰退すれば、獣の被害は平坦部にまで広がり、ますます農業全体が衰退するとも考えている。

そういった考えから山中さんは、自分の畑の管理の他に地域を代表して獣害対策の音頭をとったり、市や県との折衝を行うなどの仕事も引き受ける。
決して派手な活動ではないが、地域を守ろうとする山中さんのような農家がいてくれるからこそ、農業が続いていく。

日々奮闘している山中さんだが、今一番気になっているのが後任がまだ見つかっていない点だ。

耕作放棄地の問題に対してはこれまで、萱生町地域の20件の柿農家のうち10件が核となり、新規就農者の受入れや「柿の木オーナー制」を実施してきた。
(※柿オーナー制とは、柿の木1本を1口として1年間の柿の木オーナーになってもらい、剪定や収穫を楽しんでもらう制度。)

新規就農者(柿での就農)は、これまで数人来られたが途中リタイアしてしまった。
これは、果樹は年に3ケ月しか収益がなく、また栽培技術~脱渋の技術と設備まで必要で、新規就農には特に厳しい条件ということも関係していた。
実際、山中さん自身も柿栽培だけでは収益が上がらないので、平坦部にハウスや露地の畑を借りてハクサイや小松菜、チンゲンサイを栽培している。(※柿畑を通常の畑に転換するのは高額で難しい。)

柿オーナー制は、耕作放棄地解消に繋がっているが、できる面積が限られているので、根本的な解決には至っていないのが現状だ。

 

こういった問題に対して、「類農園」として、どういった取り組みができるだろうか?

新規就農の農家さんでネックになるのは販路だ。いくら作っても売り先がなければ生計は立てれない。

元々、類農園が直売所を立ち上げたのも、販路を作ることで農家さんの収益を増やしていきたいと思ったからだ。
類農園としては、志高くされている新規就農農家さんの販路になっていくことで、支えていきたい。

また、新規就農を支援している企業との協力など、新規就農を希望している人と地域を繋げていくことも目指していく。
地域と共にこういった問題に対して「可能性基盤」を作っていいきたい。

 

2016.10.13

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