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「設計の枠超え戦略を提案」
~教育施設への取組みが建設通信新聞に掲載~

建設通信新聞(2016年11月30日版終面)「仕事の流儀」のコーナーに、東京設計室長岩井裕介のインタビューが掲載されました。

「次の時代の教育をどうする?」という観点から、設計の枠を超えて戦略を追求する、
「教育イノベーションコンサルティング」の取り組みを記事にして頂きました。

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【設計の枠超え戦略を提案】

 人口減少・少子高齢化が本格的に進展する中で、教育施設には従来の学校教育にとどまらず、社会教育、生涯教育の場、地域コミュニティーの核としての役割が求められている。また次代を生き抜く力の養成など教育現場が直面する課題も複雑化している。より高度化する社会の要請にどう対応していくのか。教育施設づくりで日本有数の実績を有し、さらに設計事務所の枠を超えて「教育イノベーション・コンサルティング」を展開する類設計室の岩井裕介取締役東京設計室長に、これからの教育施設に求められる視点や計画・設計のあり方を聞いた。

解なき課題を追求 ~教育イノベーション・コンサルティング~

 教育施設をめぐる現状について、「いまあらゆる分野でパラダイム転換が起きている。いまだかつて経験したことのない未知なる世界で求められるのは暗記や詰め込みによる“勉強脳”ではなく、正解のない課題に挑戦して答えを見いだす本物の思考力であり追求力」だと語る。
 他方、「あるデータによると外発的動機が高いほど、要するに『勉強しなさい』と言えば言うほど意欲も成績も下がる。『しかたなく生きている』という言葉が子どもたちの口から出てきてしまう。勉強の強制が子どもたちを潰しているのではないか」とも指摘する。
 こうした認識のもと、「単にハコを造っていくだけでは人々の真の期待に応えていることにはならない。設計という枠を超えて、教育の基盤となる施設戦略をお手伝いできないかと取り組み始めた」のが、経営と教学、施設戦略を一体でとらえて変革を提案していく「教育イノベーション・コンサルティング」だ。
 例えば法政大学では総延べ30万㎡を超える施設課題の把握など、全キャンパスの課題を構造化するとともに、社会潮流分析や他大学の施設整備動向の調査をもとにキャンパス再編などの戦略立案を支援。投資の最適化を図った。その一環で同大第二中・高等学校の共学化とそれに伴う新校舎の設計も手掛けた。
 こうした活動のベースには「類塾の経営という教育事業を自らの死活問題として取り組んできた」ことがある。類塾は類設計室の教育部門であり、関西に67教室を展開する学習塾。その類塾でも「講義型から探求型へと大きくかじを切った」という。「明治以降の一律、強制の教育スタイル」から転換していく上で着目するのがアクティブラーニングだ。

やる気引き出す場

 いかにやる気を引き出して主体的な学びの場をつくるか。東京大学の研究者チームと一体となって取り組んだ『21KOMCEE』はその好事例の1つ。ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)などの環境共生技術を導入しながら、現実社会で必要となる力を身につける新しい学びの場をつくり上げた。これが実際どう使われているのか「使い方調査」も実施。アクティブラーニングのさらに先に求められる学びの場にどう生かしていくかという研究も始まっている。

想定外の中に発見 ~現実と向き合い同化して考える~

 いま学校施設は、小中一貫校や保幼小連携、地域施設との複合化などビルディングタイプの多様化が急速に進む。またニーズが拡大する特別支援校のモデル確立も急務だ。「何より人を育む建築として良い空間をつくること。それがあってこそ将来機能が変わったとしても地域の人たちに長く親しまれる」と語る。そのためには「自分たちのポリシーありきではない。小中学校でも使い方調査をやっているが、想定外の使われ方もあり、その中に気づきがある。こうした現実や人々の意識にまっすぐとことん向き合い、同化し一体化して考え続けることでしか本当に必要なもの、新しいものは生まれない」と強調する。
 「学校づくりのプロセスを共有して主体的な学びの場を提供する、仕掛けていくことも設計者に期待されている」とも。「子どもたちがそこで何を感じてどういう経験ができるか。建設プロジェクトを通じて先生たちの志を醸成する。互いの活力を生み出す仕事をすることによって、われわれの能力上昇にもつながっていく。やはり一体なのです」

 

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2016.12.02

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