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実社会と学校をつなぐ場を実現!
~京都工学院高校で座談会を行いました~

弊社が設計監理を行った京都市立京都工学院高等学校より講演依頼をいただき、日本の古都京都の地で「本物のものづくり」を志し、学んでいる「プロジェクト工学科建築デザイン領域」の1年生31名、同校・砂田浩彰校長、下原拓也先生らと、弊社設計監理・仙元清嗣が車座になってざっくばらんに議論しました。

京都の産業は、古くから日本の伝統や文化に根ざした老舗企業に支えられ、そうした企業の「ものづくり精神」が最先端の技術を生み出してきました。このような土壌が、企業や自治体・教育機関が枠を超えて最前線の生産課題を共同追求する環境にもつながっています。同校の設計に当たっても、この地域性を土台に、生徒たちがいかに現実の社会を対象にし、本物のものづくりを追求する場をつくれるかを目指しました。

座談会は、同校の下原先生司会のもと、「社会の期待に応える建築」やそのための学びなどを中心に展開。仙元も、若かりし頃の志・学生時代の思い出から建築に携わる中でのやりがいや喜び、建築業界の裏話まで、問われるまま忌憚なく応じ、互いに今後の社会生活・学校生活に向けて大いに刺激を与え合いました。

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Q1:建築を志したのはいつですか?
A1:高校生活は、建築とは無縁の環境でした。しかし、その先の進路を決める必要に迫られた時、何となく「ものづくり」の世界を選ぼうと考えたのが契機となり、建築の道を極めていくことになりました。

Q2:高校時代の思い出は?
A2:自然豊かな京都嵯峨野の地で、仲間と共に田んぼを走り回っていましたね。笑

生徒たちの緊張がほぐれたところで、あるラグビー部の生徒から核心を突く質問が!

Q3:僕はシャープペンシルにすごくこだわっているのですが、技術者としてこだわりのある大切な道具は何ですか?
A3:これです(シャーペン、マーカー、ボールペン、テンプレートなど、日ごろ携帯している手帳に挟み込んだ筆記具を見せながら)。これだけあれば、何処ででもスケッチができます。打ち合わせでもすごく役立ちます。特に、このシャーペンは手放せない大切な道具です。
CADの実習もそろそろ始まると聞いていますが、構想段階では鉛筆でスケッチして考えれば、いい案ができると思います。私は昔から、太く濃い芯が好きで使っています。弊社では、みんなCADで作図する前の検討は鉛筆でスケッチしていますよ!

ラグビー部の生徒は「ありがとうございました!」と嬉しそうな笑顔。別の生徒からまだまだ質問が相次ぎます。

Q4:苦労した物件は何ですか?
A4:この京都工学院高校です。改修プロジェクトに当たっては、いかに既存のイメージを超える新しい「顔」をつくれるかが一つの大きなテーマになります。今日の座談会の会場にもなっているここ「プロジェクトラボ」は、実社会の生産課題を追求する場、まさにこの学校の新しい象徴空間となるよう想いを込めて設計しました。また、旧立命館中学校・高等学校時代から引き継いだ既存棟は、社会で役に立つ本物のものづくりを学ぶ場へのリノベーションとして、設計から工事段階で相当苦労して再生しました。本当に大変でしたが、それだけにやりがいのあるプロジェクでした。

Q5:京都工学院高校以外に設計監理をされた物件はありますか?
A5:この近くでは、2000年に竣工した京都駅前にある「大学のまち交流センター」が想い出深い物件です。京都は大学が多いのですが、個々の大学の枠を超えて「京都の大学」の共創の場としてつくられました。今思えば、今日で言われる「オープン・イノベーション」の先駆けのプロジェクトだったと思います。デザインも、行灯をモチーフにしてカーテンウォールに特別に漉いた和紙をガラスに挟み込み、揺らぐ灯りを演出することで、学生たちの学びのエネルギーが、未来へ、そして京都の街へと溢れ出し、柔らかな光と共に拡がっていく様を表現しました。

さらに、予想外の質問も!

Q6:収入はいくらくらいですか?
A6:(少し間を取って、同校の砂田校長を見ながら)校長先生のスネぐらいですな。笑

司会の下原先生からは、こんな質問をいただきました。

Q7:ここにいる生徒たちが、御社の採用試験を受験したら採用されますか?
A7:仕事をしていく上で大切なのは、社会の役に立ちたい、仲間の役に立ちたいという気持ちです。そういう気持ち素直に表現していける学生さんは、いつでも大歓迎です!

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今回の座談会のように、企業と学生が集団の枠を超えて学び合っていける場こそがまさに、設計時に思い描いた「脱学校」=実社会と学びを融合する追求の場です。同校は2016年3月の竣工以来、JAXAとの現実課題をテーマにしたグループ追求を始め、様々な分野で学びのフィールドを拡げており、意図した通りの役割の場となっています(詳しくはこちら)。

閉会後、下原先生から「来年もこのような機会をつくりますので、是非いらしてください!」とご期待を受けました。
これからも、弊社が設計監理を行った建物を通して、未来のものづくりを担う若人が成長していく姿を見守っていけることが、楽しみでなりません。(大阪意匠設計房 中川翔子

 

2017.03.01

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