Story12/教育イノベーション・コンサルティング

激変する社会状況を受け、日本の教育は新たな可能性に向かって大きく舵を切っています。市場が縮小の一途を辿る中、国際競争力の衰退や大企業の凋落、産業界では大学不要論まで囁かれ、暗記型の近代教育から本物の思考力や追求力を再生する教育への転換が模索され始めました。次代を生き抜くために必要な能力は何か、学びの場はどうあるべきか。類設計室は、教育施設設計で日本トップレベルの実績を積み重ねる中で、新領域「教育イノベーション・コンサルティング」を独自に確立。経営、教学、施設戦略の全てを包括する新たな視点と発想で、生き残りをかけた変革を提示していきます。

教育の可能性を掴む

2011年、「理想の教養教育」を目指して計画された東京大学21KOMCEE Westは、先進的な自律型学習「アクティブ・ラーニング」を形にする建築として教育界の注目を集めました。

社会で直面する問題が多様化かつ複雑化していく中、教育は、従来の一方通行で知識を暗記する講義形式では答えを出せなくなってきています。そこで、答えのない問いを追求するため、教室は教壇を廃し、自在なレイアウトを工夫できる空間とするなど、革新的な環境を実現しました。

さらに竣工後、実際に設計した施設がどういう使われ方をしているかを検証する「使い方調査」も開始。設計者の認識と実社会の現場をすり合わせていくことで、本当に求められる学びの場を掴むことを目指しました。

こうした類設計室の設計者としての「姿勢」そのもの、徹底した調査と分析に基づく的確な将来予測やきめ細かい提案が新たな価値となり、社会に求められるようになったのが「教育イノベーション・コンサルティング」です。

類設計室の教育イノベーション・コンサルティング

設計事務所の枠を超える

法政大学では、老朽化・複雑化する施設と機能の現状分析、課題整理を行い、キャンパス再編とブランディングを支援。法人展開の戦略として法政大学第二中学校・高等学校の共学化と新校舎の設計を手がけました。また、中央大学でも、附属中学校開設にあたって教学戦略、広報・入試戦略に関与し、それらを実現する施設設計を行いました。追手門学院中学校・高等学校では、2050年の未来に求められる学校という視点から、既存のカリキュラムに捉われない新しい学びを教員とともに考える建設プロジェクトを進めています。

教育イノベ営業担当 「設計の枠を超え最深部の可能性を掴む」

東京設計室営業課長
2010年入社 中谷泰基

教育業界における生存競争が日に日に激化していく中、学校関係者の方々の「学びの場をどう高度化していくか」、その中身への関心もますます高まってきています。建築設計という枠組みの中だけでは、もはやこれに応えることはできません。

「教育イノベーション・コンサルティング」という新たな取り組みは、類設計室のこれまでの実績の中での追求と実現の過程を形にしたもの。その基盤には教育事業部「類塾」の運営に主体的に関わってきた歴史があります。きれいごとではない現実に立脚した実践論は、他社には真似のできない大きな武器です。

教育イノベーション事例・資料

左端:中央大学附属中学校 ・高等学校 / 左から2枚目:コンサルティングの課題編成 / 右から2枚目:戦略投資のための長期修繕計画 / 右端:都心回帰・進出した大学のレポート

教育イノベ取組/使い方調査

そのほか、公教育施設では、図書館や福祉施設との連携など高度化・多様化する機能を通じて、新しい役割が期待されています。地元のシンボルとして住民に愛される中央区立明正小学校・明正幼稚園・新川児童館は、世代を越えた交流を実現する活力再生拠点として存在感を強めています。

既存の枠を超え、現実に直面している壁を突破していくには、事実を手がかりに物事の根源を捉えることが必要です。

類設計室では、所員一人ひとりが常に社会を対象とし、最先端の潮流を追求。全部門から日々の最新情報がオンタイムで投稿・閲覧される「社内ネット」や、全社員が一堂に会して開催される「劇場会議」、社員有志が自主的に追求したいテーマを定めて定期的に開催する「自主グループ活動」など、多様な追求の場で確かな認識と豊かな言語能力を磨いています。それらの力を駆使し、次代を拓く新たな可能性を実現することに挑戦しています。

Voice

学校法人法政大学
環境保全統括本部長
施設部長
伊東利晴

法政大学は、高等教育をめぐる環境の変化や教育・研究への社会的要請をいち早く捉えダイナミックな大学改革を実行してきました。2008年~「明日の法政を創る」審議会、2014年~HOSEI2030推進本部のもと長期ビジョン(HOSEI2030)の推進のため全学で取り組んでいます。そして2016年には大学憲章として結実しました。大学は「自由を生き抜く実践知」を約束し持続可能な社会の未来に貢献することを宣言しました。 こうした理念のもと大学院・学部学科新設・改編・付 属校改革が、教学組織と法人組織が一体となり検討されてきました。法政大学は歴史も古く大規模であるため、多様な意見の集約に相当の時間を費やし結論を作る努力をしてきました。教育研究の改革を支えるキャンパス構築の検討おいても「改革の意義」の理解が完成度を左右するため、法人職員も経営的見地からの教育情報や建設情報をもって改革議論に積極的に参加していかなくてはなりません。 この種の検討作業には類設計室コンサルタント業務は大変「力」になっていただきました。大学・付属校の諸改革に大学経営全般を視野に入れた具体的根拠資料の提示、また検討案の提言をいただきました。