11/6・13実現塾「サル社会の構造」はこんな追求に!

今回は、ついにサル社会の構造に入っていきました!
サルの社会は、哺乳類たちとは全然違う!そこに同化していくと、一難去ってまた一難、、、。
同化すればするほど、サルたちが置かれた状況の大変さが分かります!
今回は原猿たちのおかれた状況に同化していきました!

①モグラ・ツパイと原猿の違い・共通点は?
【違い】
住処が樹上になった/土中と違って、樹上は餌となる虫が少ない/かつ小型の鳥という捕食上のライバルもいる/足の指で枝を掴めるようになった/体が大きくなっている/産む子どもの数が減った(基本1匹)/眼が前に来ている/授乳期間が長くなった
【共通点】
オスメスとも成体になると、集団を出ていく(単体で縄張りを形成)/土中も樹上もほとんど外敵がいない(外敵はフクロウなどの猛禽類のみ)

■なぜ樹上で住めるようになったのか?
サルの特徴として、「足の指が対に動くこと」。前足も含め、4つの手足すべてで、物が掴めるようになった。
☆足の指が進化したことで木から木へ飛び移れるようになった

◎樹上生活ができるようになって起こった身体機能の進化

眼を前にもってきたことで、両眼の視界の重なる部分ができて、立体感覚、距離感がつかめるようになった。
→だから木から木へ飛び移れるようになった。眼が前に来ると、後方が見えなくなるので、「首」の可動域を広げた。
肩、腕、ひじとひざ
木の上で生活できるようにするために「肩」の可動域も広げた。(バンザイができる)
→枝を掴むことで樹上でもバランスをとれるようになった。木にぶら下がったり、木から木へ飛び移るために、筋力が上がり、腕も長くなった。ひじとひざが曲がるようになって、木の上でも自在に動けるようになった。
☆樹上で暮らすためにはこれらの身体機能の進化が必要だった。

■授乳期間をのばしたのは?
◎知能進化説
原猿は樹上で生活をするようになった。樹上生活は空間把握力判断機能が絶対に必要。飛び移る木から木の距離はどのくらいか?飛び移る木は飛び移っても大丈夫なのか?などを考えなければならない。木が折れたときには、すぐに捕まれるように、反射神経も強化。
木の上は常に不安定。(風が吹いて木が揺れていたり、、、)
従ってバランス感覚の強化も必須。母に掴まりながら、立体空間の中でバランス感覚を培う。
指先の皮膚感覚も発達。4本の手足、20本の指を動かす運動機能も発達。これらによって知能が進化した。

原猿は地上よりも敵の少ない木に登ったことで防衛力はある程度獲得。
しかし、木の上は餌となる虫(主に栄養源の高い幼虫)は激減。成虫はいるかもしれないが、すばしっこく、捕まえるのも一苦労。
さらに捕食上のライバルの鳥の方が動きも速いので、先に虫を取られてしまう。
従って、原猿はモグラ時代の多産化戦略をとることはできなくなった。
そこでオス・メス単体のまま、子どもの数を減らす戦略をとった。
◎初期の原猿誕生の時期の樹上は、過密でもなく、性闘争も過激でもない。

②その後原猿は大型していくが、何が変化したのか?
初期の原猿は虫を食べて生活。この段階では果実や葉を消化することができない。樹上では、昆虫が少ないことから花→果実→葉を食べざるを得ないようになる。葉はほとんどが毒。加えて消化しにくい。つまり食べているだけでは大きくならない。
腸内細菌が葉に含まれるセルロースを分解し、タンパク質に変化させたことで栄養として吸収できるようになった。
葉に含まれるセルロースを分解できるようになったので、原猿は大型化した。

■葉を食べれるようになった原猿の社会はどう変化したのか?
葉を食べられるようになって、豊かな食を確保できた。さらに大型化したことで外敵にも狙われないようになった結果、樹上は防衛力と生産力を備えた楽園=陸・海・空に変わる☆第4の世界になった!
すると原猿は異常繁殖した。

③大型化した原猿同士はモグラ時代と同様にオスメスとも激しく闘う、その場合、陸上と樹上かつ過密状態になった世界はなにが違う?
性闘争以前に食の確保(縄張り)闘争があって、何割かは縄張りを確保できずに死んでいく。しかし、樹上という特殊環境によって、縄張りを確保できないのに死なないという個体が登場する。原猿は、同類闘争に負けても、木を移ればどうにか生き残っていける。淘汰されなくなる。
そうなると、餌の量に対して個体数が過密になり、恒常的な縄張り(餌)確保の闘いが常態化する。

さらに繁殖期になると、オスの行動圏は3倍に拡大。
モグラ時代は2/3のオスは覇者に追い出され死んでいったのに対し、樹上生活ができるようになると、追い出されても地上に降りて隣の木に移って固めの葉を食べれば、死なずにかろうじて生きていける。
弱オスは生きてはいけるが、食糧を取ろうとすると縄張りを持つオスに襲われ追い払われ続けることになる。
縄張りを持てない弱オスたちは常に誰かの縄張りにいるため、恒常的に威嚇されたり、追いかけまわされる。
そしてボスは常に誰かに縄張りを狙われるようになる。
さらにメスは、ボスには勝てない弱オスたちに縄張りを侵食されるようになる。

◎本能は秩序を作り出す。にも関わらずその本能が混濁。本能の統合不全が探索回路をフル稼働させる!→知能進化
⇒3者の中で体格差に劣るメスが一番最弱。

④縄張りオスと若オス、メスはいずれも原猿時代は単体で生存。恒常的な縄張り闘争の下では一番弱い=苦しいのは体格的に劣るメス。メスはこの状態でどうした?
○集団化したのでは?
メス同士集団化するのは外敵察知のため。同類のオスから狙われるとなると、集団化しても侵入は防げない。集団で追い出しても別の場所から別のオスが侵入してくる。
→☆縄張りオスを惹きつけ、守ってもらう方が実効性は高い。
○オスに守ってもらう!
オスは繁殖が終わると別世界で生活。メスは繁殖期以外もオスに守り続けてもらわなければならない。哺乳類の挑発は、不特定多数のオスを惹きつけるが、この異常繁殖の状況で不特定多数のオスを惹きつけることは危険。
☆ボスだけに守ってもらうこと。
☆そこでメスはボス(縄張りオス)を注視。そしてオスの欠乏は何か掴もうとした!
◎今まで子どもか同性のみ使っていた同類把握の機能を初めて異性に使った!

ボスは恒常的にイライラしている状態。さらにメスも自分の縄張りをねらっている「敵」とみなす。
いきなり近づいていては他の若オスと同じように追い払われるだけ。追い払われないようにするところからメスの注視はスタート。
注視を続けると、ボスの不全解消欠乏(常に誰かに縄張りをねらわれている緊張)に気づく。
ボスに近づいていったメスは、親和充足を与えることでボスの近くに居続けようとした。ボスの相当の不全に対して、いつも通りの親和(肌と肌のスキンシップ)ではダメ。
☆そこで傷や鼻をなめるようになった。
唾液には沈痛・麻痺機能がある。ボロボロのボスの傷をなめて麻薬的な物質で不全を和らげ、ボスの不全を瞬間的に忘れさせた。親和充足を与えられたボスは、不全解消欠乏を解消するために、繁殖期以外でもメスの近くにとどまるようになる。
☆今まではメスが集団を作りそこにオスを惹きつけていたが、メスがオスに近づいて行った!
◎繁殖期以外で初めてオス・メス集団が形成された。

ボスの不全解消欠乏、メスの縄張り防衛欠乏。
原猿のボスとメスのおかれた状況は確かに本能にない状況ではあるが、突破口として使われたのは、縄張り闘争機能と親和機能。既存の本能が使われているのに加えて、それぞれの欠乏が全く異なるため、ここから同一視は生まれない。
いわばボスとメスの取引関係。☆従って共感機能は若オス発と想定できる。