12/25・1/8実現塾「サル社会の構造④」はこんな追求に!
①原猿と真猿(オナガザル・テナガザル)の違いは?
顔の毛がない/授乳期間が延びた/大型化/上半身が直立している/集団化/集団形態の多様化/親和様式がなめ合いから「毛づくろい」へ
●共認機能の発達によって生じた変化
・顔の毛が無くなった→表情が見えるようになり、表情を読み取りやすくした。
(脳の6割が手・足・顔の筋肉を動かすために使われている。)
・上半身が直立している→上半身が直立していると両手が使えるので、身振り手振りもできるようになった。(オランウータンやゴリラは手話もする。)
・集団化、集団形態の多様化
→「オスとメス」「オス同士」など「血縁関係のない同士」が集団になった。これは本能を超える機能(共認機能)を獲得したから。
・毛づくろい→「なめ合い」より密着度も充足度も高い。指先の感覚がより敏感になって、毛づくろいをする方も気持ちが良い。
●授乳期間が延びたのはなんで?
・体が大きくなったから。→体が大きくなった理由は種間闘争で扱う。
・少子化戦略
→樹上適応した結果、闘いに負けても死なないためサルの数が膨大に増えた。樹上は過密。
そのため、授乳期間を延ばすことで子育て期間を延長し、大人にするまでの時間をかけて成体数を減らしている。
・知能進化したから。(知能進化は目的ではなくあくまで手段)
<知能進化した理由>
◎体性感覚を獲得するため。
→テナガザルの住む木の頂上付近(80m近く)では、今まで以上の体性感覚が必要とされる。
母と子の微妙な重心のズレも命に関わる。そのため授乳期間をのばし、着実に体性感覚を獲得する必要があった。
◎共認機能を獲得するため。
→母と子の一体感・一体充足は今まで以上に必須。そのため母と子が互いに表情を読み取ったり、息を合わせる必要がある。
→授乳期間中は常時密着状態になるので、皮膚感覚は著しく発達し結果、知能も進化していく。
(親和機能の向上→授乳期間の延長→知能進化)
②オナガザルの特徴は?どうやって種間闘争に対応した?
・集団化/大型化/地上へ降りた
☆まず樹上を捨てて地上に降りたのは、種間闘争に負けて追い出されたから。
●サルの異種間闘争ってどんな状態?
カンブリア大爆発以降、異種間の種間闘争(食う・食われる)が発生。
同じ捕食者同士、餌の取り合いには基本勝ち負けがある。負けた種は食べ物を変えたり、別の場所で適応したりする。
しかし、サルの種間闘争はどうか?
食う・食われるの関係ではない。サルも外敵闘争では死ぬが、サル同士の種間闘争では負けても死なない。
ボルネオ島には70種のサルがいるのに対して、日本にはわずかに1種。
☆この事実をみてもわかるように、「人気エリア=良い餌の場所」が存在する。
この「人気エリア」があるというのが生物として異例。(より充足度の高いものを探索。充足回路を原動力にしている。)
生物としては、食べ物を被らないようにする、敵が多い人気エリアは避けるなど、本能上ではすみ分けるのが普通。
☆つまり、サルには「快美欠乏」がある。よってより良い餌を求めるようになる。(芋を海水につけて食べたり、焼き芋を狙ったりするのも快美欠乏があるから。)
餌の争いに負けても別の餌で我慢することはなく、隙があれば良い餌を狙いに行く。
☆この異種間闘争がさらに同類闘争を加圧させる構造に。
☆種間闘争の動力源になるのが充足追求!そして活力追求→充足追求→性充足追求と性に収束していった。
●集団化したら種間闘争に有利?
集団化するだけではなく、連携行動が出来なければ集団化をしても意味がない。(共認機能の限界)
さらに100頭が集団化したとして、それら全頭の餌がなければ意味がない。(餌の限界)
集団規模は外圧によって変化していく。
☆知能進化=組み換えであれば、集団もどれだけ自在に組み替えることができるか。これが集団化のカギになる。
③テナガザルの特徴は?どうやって種間闘争に対応した?
手が長い/軽量化/俊敏さ/大型化/年中発情
小型+軽量化で樹冠に適応→ある程度大型化(シロテテナガザル)→①超大型化(オランウータンやゴリラ)
→②集団化(チンパンジー)
●手を伸ばしたのはなんで?
・木の頂上付近に移動し、細い枝先の実や葉を取れるようにするため。
・木の上を渡り歩くため。
→オナガザルは跳躍して移動するのに対し、テナガザルは木の上を100m6秒の速さで渡り歩く。
一歩一歩が命がけで、瞬間瞬間の判断力と洞察力が求められる。
☆そのため授乳期間、母子密着の期間を延長させたのではないか?
●集団化せずに、大型化したのはなぜ?
〇オナガザルに対応する説
テナガザルは子育て期間がオナガザルよりも長い。
(木の頂上付近は体性感覚が必須→授乳期間、子育て期間を延長することで子どもの体性感覚を鍛える→結果、子どもの数は減少)
しかし、オナガザルは子育て期間がテナガザルよりも短いため、2倍の速さで増えていく。
☆集団規模では負けるため、集団化戦略は取らずに「大型化戦略」を取った。
●年中発情が可能になったのはなんで?
〇そもそも「発情」とは?
「発情=排卵」。☆授乳期間中は排卵しない。
年中発情とは、「季節を問わず排卵できる」ということ。月に排卵期があるだけで、毎日排卵しているわけではない。
雨季と乾季のある地域では、“雨季(餌が豊富な時期)”に子どもを産めるように、逆算して「排卵期=発情期」を迎える。
しかし、熱帯雨林は年中を通して雨季。だからテナガザルは発情期がなく、季節を問わず排卵ができる。
基本、単雄単雌やオスメス単独で生活しているテナガザル。メスが授乳期間を延ばしたとすると守ってももらうために、オスを引き留めることはできないという矛盾が起こる。(授乳期間中は発情しないため。)
☆しかし、テナガザルのメスは、授乳期間ではない他メスが発情し、オスの性闘争を激化させ、同類闘争の頻度を増やした。
☆そして、オスの闘争力を上げ、“種”として強くしていく戦略を取った。
☆守ってもらうために“自集団”だけを考えるのではない。“種全体”のオスの闘争性を上げて、“種”を守るため、“種”として種間闘争に適応に対応するための戦略を取った。
☆メスの発情・性機能の向上は、「オスの闘争活力・欠乏をかり立てるもの」!
いかにオスの欠乏を喚起して、どうオスのやる気、活力を上げるか。
メスは“どう欠乏を出させるか”を常に追求している。