1/29・2/5実現塾「オランウータンの進化①」はこんな追求に!

大前提として、生殖や闘争は一番大切で押さえておかなければならない。
しかし大事であるにも関わらず生殖過程についてはわからないこと、未解明の課題ばかり!固定観念に囚われずに追求していく


1.テナガザル系が授乳期間や子育て期間を延ばしたのは何で?
バランス感覚を鍛える/親和充足のため/母乳の成分が関わっているか?/母乳を与えている母も与えられている子どもも双方充足するから/母の行動を見て「真似」をするため/母と連携行動を取るため
バランス感覚を鍛える、連携行動をとる、母の真似をするためならば、「密着」だけでもできる。
授乳期間を延ばす理由は?

授乳期間の長さは、①テナガザル(2年)②ゴリラ・チンパンジー(3~5年)③オランウータン(7~8年)の3段階ある。

①テナガザルになって授乳期間が延びたのは何で?
・テナガザルは種間闘争に対応して樹の頂上部(林冠)へ適応した種。林冠は枝が細く、木が揺れる。その中で体性感覚がさらに必要になった。
しかもテナガザルは、時速38㎞の速さで二足歩行で綱渡りをする。木の上で飛んでいるバッタやセミを捕食する等、相当な体性感覚に加えて、瞬発力、動体視力、判断力、把握力を獲得している。(ここまで知能進化させなければならなかった。)
☆ここまで体性感覚等を上昇させるためには、後天的に脳回路(運動神経と判断力)を形成していくことが必要!
☆そして脳回路の形成には、「母乳」が不可欠だったと思われる。だから密着だけでなく、授乳期間が必要だった。
母乳は、成長や体調などに応じて成分を変えられる。
さらに母乳には栄養分だけでなく、免疫細胞(初乳に多く含まれる)や神経細胞の元の神経繊維、駆動物質、μRNA等が含まれている。母乳で後天的に脳や神経の発達を促した。

・加えて、樹の頂上部では広い縄張りは確保できないので子育て期間を延ばし、成体数を減らす必要もあった。これも授乳期間を延ばした理由。

②ゴリラ・チンパンジーになって授乳期間が2倍になったのは?
・樹の頂上部での生活に加えて、テナガザルと異なる点はかなり「大型化」していること。
「大型化+林冠生活」でより小型テナガザルよりも体性感覚が必要になった。(樹上の移動時は3点で体を支えている。)
林冠付近の枝は細く、大型化した類人猿は枝が折れないかなどの判断も小型テナガザル以上に必要になる。よって小型テナガザルよりもさらに授乳期間を延ばす必要があった。

唇はオランウータンなどの“類人猿のみ”に見られる。他の哺乳類には唇はない。
母乳を吸えるのもサル特有。(他の哺乳類は出てくる母乳を飲んでいるだけ)
オランウータンは7~8年の授乳期間があるが、ずっと母乳が出て続けているかはわからない。
この母乳を吸う行為自体が充足行為なのかもしれない。(安心や充足の感覚→“心のミルク”をあげる期間か?)
唇と指先に神経回路が集中しており、唇の感覚は敏感。(赤ちゃんは何でも口に入れて確認する=探索している)
結果、唇の皮膚感覚もより発達し、さらなる知能進化につながった可能性がある。

③オランウータンはさらに授乳期間が延びている。なぜか?
オランウータンは、他の類人猿にはない「飢餓の圧力」が働いている。餌が無い状態では子どもに必要な栄養を母乳で補う可能性が高い。(餌が無い状態で子どもが餌を確保するのは難しい)子どもの生存率を上げるために授乳期間を延ばしたと考えられる。
しかし非果実期ではメスも果実期の1/4カロリー程度にとどまり、ガリガリに痩せる(これが常態)。授乳期間が延びると、子どもにとっては生存確率も上がるが、母親の負担も増える。その状況でどうやって母乳を作り出したのか?
→3で記載。

2.テナガザル系が年中発情するのは何で?
年中発情とは、「季節を問わず排卵ができる」ということ。妊娠するまで1か月ごとに排卵が続く。排卵の前後にメスは尻を赤くし、フェロモンでオスを惹きつける。

〇年中発情すると、どうなるのか?
授乳中は発情しないので、授乳期間の延長によって発情メスは減少。少ない発情メスをめぐってオスの性闘争は激化し、オスは闘い続けなければならない。

〇さらになぜ年中発情で闘い続ける必要があるのか?
・種間闘争に対応するため。
☆授乳期間の延長でオスの軟弱化を脱却するため!
授乳期間や子育て期間の延長は、オスに対する「過保護」であり、オスは軟弱化する欠陥をはらんでいる。これでは種間闘争に対応できず、種として弱くなりかねない。だからオスの活力と闘争力を上昇させるために、「年中発情」することで性闘争の頻度を増やした。(年1回から年12回へ)

☆しかし性闘争を激化させるには、メスを性収束させる必要がある。
そのために「メスも放逐」する戦略を取った。
オスとメスの体格差も大きく、縄張り闘争で一番不利なメスをあえて放り出し、生存圧力を加えた。そして「オスに守ってもらわなければ」というオスを引き付けなければならない状況”を“自ら”作り出した

哺乳類は「交尾排卵方式(交尾時に排卵する=ほぼ100%妊娠できる)」を取っているが、サルはあえて「自然排卵方式(排卵に周期がある)」を取っており、妊娠しにくい肉体改造をしている。これもオスを加圧するためか。

☆現代では性は個人課題になっているが、サルにとっては、種としての適応力を強化するための戦略!

3.オランウータンは発情期をなくすなど、他のサルと比べても、際立って性収束が強いがそれは何で?
チンパンジーやゴリラは排卵時にしか交尾いない=「繁殖のための性」であるのに対して、オランウータンは排卵に関係なく、交尾をする。つまり「繁殖を超えた性」に発達した。
(チンパンジーの交尾は15秒程度なのに対して、オランウータンは対面で40分も交尾を行う。)

〇オランウータンは飢えの圧力があり、飢餓状態にも関わらず、なぜエネルギーを使う性行為を40分も行うのか?
そもそも「性=エネルギーを消費するもの」というのは固定観念
☆むしろ“飢餓の圧力を突破するためのエネルギー”になっているから、性収束したはず!
オランウータンは授乳期間の延長と、動きがゆっくりであることで、母子の「一体充足の回路」が強化されている。
オスとメスは全く別の生き物。オスはもっぱら性闘争、種間闘争、メスは縄張り確保。
共認回路が形成されたとしても同一視できるのは“部分的”
しかしオランウータンは、「飢餓状態」がオス・メス問わず両方一緒“完全に”同一視でき、深い「一体充足」につながったこの一体充足と“性”が結びつき、大きなエネルギーが得られたのではないか?
◎“性=一体充足”
テナガザル系は「性を種の適応戦略」に、オランウータンは加えて性を「活力源」にした。
これが人類につながっていると思われる。

☆「エネルギーは、食べ物から得るもの」というのも固定観念。
(外気6℃で、体温36℃を保とうとすると、1日に6万キロカロリーが必要。食べ物だけでは到底取りきれない!)

〇では、食べ物以外からもらっているとしたら?(飢餓状態のオランウータンが母乳を作り出せた要因にもつながる!)
・太陽光→実際、植物は水とCO2と太陽光から、エネルギーを作り出している(光合成)。
根粒菌→空気中の窒素からアンモニウムイオンを作り出し、アミノ酸(タンパク質の元)を作り出している。
手当て→痛いところに手を当てると、痛みが和らぐ。
など、食べ物以外からエネルギーを生み出している事例は多々ある

性や生体エネルギーについては未解明の課題ばかり。今後も追求が続く課題。