2/12・2/26実現塾「オランウータンの進化②」前編はこんな追求に!
これまでの知能進化の総まとめです!
オランウータンの知能進化に深く迫るために、哺乳類からオランウータンまでの進化を「知能」に絞って追求しました。
①【哺乳類の知能進化の謎】の神髄は?
皮膚感覚の鋭敏化、探索の組みかえ
●皮膚って何者?
・内臓を守る役割。物理的に内臓を守る外皮の役割に加えて、中に取り込むか取り込まないかの判断をしている。
・加えて皮膚は外圧を掴む。
光・温度・湿度・圧力・質感など、一度に複数の情報をキャッチすることができる。それらを統合する機能もある。
・掴んだ外圧を基にどうする?を判断できる。
体に入ると害の場合は、蕁麻疹や鳥肌が出る。これらも脳が判断しているのではなく、肌が判断し、行動している。
これらの機能の原点は細胞膜にある。
単細胞の時代は「細胞膜」で外圧を掴み、餌か毒かなどの+-の判断をしていた。
多細胞になると、細胞同士でも専門分化し、細胞間で情報伝達もするようになった。体の一番の外側の細胞が外皮=皮膚になった。
☆単細胞から皮膚の段階で、「外圧を掴む→細胞間で情報伝達→判断→行動する」まで行っている。
●ではなぜ脳は作られたのか?
<両生類までの脳のはじまりと脳>
脳はカンブリア紀頃、視覚や聴覚などの感覚器官ができた段階で形成された。
目や耳は皮膚を専門特化させたもの。遠隔情報を周波数としてキャッチすることができる。
・視覚や聴覚など外圧を掴む感覚器官の種類も増え、感覚器官が掴んだ情報を、“集約”する必要があった。
・感覚器官が掴む周波数情報は膨大になり、その中から必要な情報だけを“絞り込む”必要があった。(そのため脳の判断は大雑把。)
☆脳は情報を集約し、必要な情報のみを絞り込み、状況を把握した上で、「どうする?」を“探索”して、運動指令を出すために作られた! (この段階での“どうする?”探索は「パターン回路」。)
<哺乳類でさらに発達>
両生類までの脳に加えて、大脳新皮質を新たに形成。新皮質は「どうする?」の探索に特化した器官。加えて後天的に組みかえることが可能!
●哺乳類が後天的に組みかえるために新皮質を発達させたが、なぜ知能進化という路線をとったのか?
上記が必要になった理由は、哺乳類の特徴は弱者だから取った胎内保育の戦略。よって、
・子育てが必要になった。
まずは母胎が胎内の子どもを異物として排除するのを防ぐことが必要。生まれてからも母乳で子育てを行っていく。そのためには“親なのか”“子なのか”の個体識別が必要。つまりパターン回路では生きていけず、状況に応じて組みかえが必要。
・性闘争を激化させた。
淘汰の必要から性闘争を激化。相手に戦意があるのか、相手の力量を把握することも必要になる。
子育て期間中は味方同士。しかし大人になり放逐されたら、縄張りを争う敵同士。
味方から敵へ、対象が変われば行動も変えなければならない。
☆個体識別、対象認識を組みかえる必要があったため、後天的に組みかえる必要があった。
●知能とは?
☆外圧と同類把握力、脳回路の組みかえ力、探索力!
どうする?をどれだけ探索し、組みかえができるか!これが知能を規定している。
②【原猿の知能進化の謎】の神髄は?
手探り回路、体性感覚の上昇が知能進化の神髄か?
●手探り回路の形成
原猿が陥った無限苦行状態は本能にはない。(=本能不全)
☆何がプラスでマイナスなのか、“自分の欠乏さえ”も分からない状況。苦しんでいる自覚もなく、安堵して初めて欠乏に気づいた。
そして、外圧(相手)状況に加えて、内圧(自分)状況を“手探り”で探索した。
その結果、相手と同一視できる地平を見つけ、それが充足にもつながった。
☆手探りしないと同一視はできないし、充足も得られない。探索しないと同一視には至れない。
充足は自ら掴みにいく、生み出すものであり、充足した結果、“もっともっと”と充足探索に向かうようになる。充足探索は“充足「度」の共有”が羅針盤になっていき、共有できる中身に収斂していく。
☆充足探索には終わりがない。手探り回路も欠乏がある限り探索は止まらない。
●体性感覚と知能進化はつながっているか?
樹上では、バランス感覚が必要。そのために、
・枝のしなり具合、木の枯れ具合、風や雨等の“外圧を掴む”こと。
・体の“重心の感覚を高める”こと。
内的感覚と外識を照らし合わせ(平衡感覚)、どう体を動かすかの探索(判断力)と組みかえ(運動機能)を頻繁に行うようになる。
この組みかえが知能進化に繋がっている。これら体性感覚も後天的にしか獲得できないもの。
☆体性感覚を鍛える、体をつくる段階から“手探り”で「探索」をしている。
☆体性感覚が共認回路の基盤になり、原猿は手探りで無限苦行を突破できた。