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社内外の「協創力」を高める
研究・オフィスの設計コンサルティング

AGC株式会社

社内外の「協創」を核とした新たな研究開発拠点

AGCの新研究開発棟SE1は、50年以上にわたりAGCグループの研究開発を支えてきた横浜市羽沢の中央研究所と、鶴見の旧京浜工場を統合した新たな研究開発拠点「AGC横浜テクニカルセンター(YTC)」の中核施設です。

ガラス技術を核にイノベーションを起こしてきたAGCが、21世紀型の新事業を創出するために、研究開発体制のあり方から掘り下げ、共に追求を重ねました。これまでの中央研究所モデルは、基礎研究から製造までを自社の各部門で完結することが多かったのですが、革新的技術の創造と開発スピードが求められる社会で、社内外の「協創」を核とした研究体制を強化しました。

そのため、社会から離隔されていた研究所を大胆に開くとともに、新技術の開発空間(AO Lab. アオラボ)を、クライアントや外部研究者、さらには社員の目に触れるオープンなエリアに配置し、変異を生み出すことを意図しました。

ものづくりの熱量があふれる「Future Factory Lab」

デザインコンセプトは「Future Factory Lab」。試行錯誤で挑戦してきたAGCの「ものづくりの熱量」を継承するとともに、「AGCの次を創る」未来感のある空間を目指しました。美しく整った清廉な研究所よりも、ファクトリーのような荒々しい空間が、その答えとなりました。国内最大級のガラスで構成された外観は、AGCの熱量を来訪者に発信するとともに、変貌する京浜工業地帯のオープンイノベーションの象徴となります。

社内外がシームレスにつながる、融合・反応・協創の場

AGC横浜テクニカルセンターの研究開発棟は、新研究棟(SE1)と既存開発棟(SE2)で構成されます。新旧建物はブリッジでつながれ、協創を加速する新たな研究開発拠点となります。オープンイノベーションの中核を担う新棟は、社外との協創を推進するオープンエリア「AO(アオ/ AGC OPEN SQUARE)」と、社内協創エリア(オフィス・実験室)の2つのエリアで構成されています。

「AO」は、3層吹抜けのボイドに沿って、「AO Gallery」 「AO ParK」と呼ばれるインスタレーションや展示コンテンツが展開され、来訪者の反応を引き出します。複数階に配置された共同実験室「AO Lab.」は、社内外の協創を推進する象徴として、際立った色彩を与えました。その他、食事を通じて一体感を育む「AO café」、最先端の技術展示を切り口に対話する「AO Studio」など、来訪者の心をつかみ、探究心を引き出す場を計画しています。

AO ParK
ハイサイドライトを活かした開放感のあるオフィス

社内協創の中心は、最上階に配置されたワンルームのオフィスです。約700人が一堂に会することのできる100m×50mのメガオフィスは、ハイサイドライトから差し込む光で変化を生み出すとともに、ステージやキューブ等で空間を緩やかに分節することで、一体感の中に多様性を生み出しています。

オフィスと実験室フロアは、2カ所の開放的な縦動線でつながれ、日常動線に沿って偶発的な交流が生まれる場を随所に計画しました。

実験空間の可変性を実現するブロックゾーニング

研究開発のスピードアップに伴い、実験空間にはこれまで以上の可変性が求められています。実験室は1,000㎡ごとのブロックに防火区画し、ブロック内の実験室間仕切りは自由に変更できる計画としました。給排水設備やガス等のユーティリティの供給もブロックごととし、変更工事における他ブロックへの影響を最小限とする工夫を施しています。

「開かれた研究開発拠点」に相応しいガラスファサード

エントランスホールのカーテンウォールは「AGC ディンプラス」を採用し、外部に開かれたファサードを目指しました。ディンプラスはガラスリブ方立の特殊溝加工にアルミホルダーを接合してフェイスガラスを支持するもので、極めてシンプルな納まりが可能となります。フェイスガラスは国内最大サイズのLow-Eガラスで、高さ7.5mを1枚で構成し、開放的なファサードとなっています。